2002.08.01 POSTEIOS

 新聞・雑誌 仏教情報 拾い読み 2002年7月号



(294)7月27日 朝日新聞夕刊 第1面☆
 アフガニスタンで専門家も把握していない仏教遺跡が盗掘され荒らされているとの記事がありました。密売団の首領が逮捕されたとのことですがアフガニスタンの遺跡は荒らされ放題ということのようです。

(293)7月27日 朝日夕刊 社会面
 「山谷の赤ひげ出前診療」と題する記事の中に、調布市延浄寺(浄土真宗本願寺派)の網代正孝さんのコメントが載っています。
 記事は、山谷の宿泊所に出前診療をしている「友愛会」というNPOの紹介が中心。(このNPOの代表はカトリック修道士の中島さんという方。)網代さんに関連するのは次の部分です。

 中島さんはこれまで、山谷で100人以上の死と向き合った。家族がお骨を引き取りにきたのは3人だけだ。
 行き場のない遺骨は、中島さんに共鳴した調布市内の延浄寺が無料で引き取っている。「彼はね、マザー・テレサみたいなもんです。山谷のマザー・テレサだな」と住職の網代正孝さん(63)。

(292)7月26日 日経夕刊 第2面 下段の「8月の出版TOPICS」欄
 作家・高橋源一郎氏の寄稿で、仏教に関連する部分ありました。一部掲載します。
 「「新潟に良寛の絵ばかり描いていたこしの千涯という画家がいました。わたしはこの人の画室の入口にかかげていたという次の言葉が好きで、事あるごとに書いては自分の生き方をかえりみています。
 『お念仏は人間が何かを求める声と知るべし。されど、その答なし。寂しきものなり。しかれどもその寂しさに徹した時、心の中にその答をきくものなり。これ妙という外なし。
 かくのごとき境地に至る人の相貌は、春に咲く紅椿の花の如く寂しさの中に春の如き光りを放つものなり』」(小島寅雄著『やさしいお経の話』(文春新書)
 小島さんは、元鎌倉市長で、その後得度されたそうです。つまり、出家されたのですね。いったい、なぜ。それはこの本を読めばわかります。ぼくはふだんお墓参りもしない、罰当たりな現代人です。それでいいのかといわれると、それでいいのだ、と断言できるほど確信があるわけじゃない。心のどこかに、なんとなく、モヤモヤしたものが残っている。そのせいでしょうか、この本を読んだら、お経のことをもっとずっと知りたくなったのでした。」以下、略。

(291)7月26日 朝日新聞夕刊☆
 印度のブッダガヤーのマハーポーディ寺院がユネスコの世界遺産に登録されたことについて、南アジア研究ネットワーク代表の福永正明氏の寄稿が掲載されています。
 その最後の部分には「ヒンドゥー教徒が多数を占めるインド社会で、今回の世界文化遺産への登録はどのように理解されるのであろうか」と書かれています。

(290)7月25日 朝日新聞夕刊☆
 玄奘三蔵がバーミヤンの東大仏を実は見ていなかったのではないかとの説が国際シンポジウムで発表されるとの記述。玄奘が訪れた時にはまだ建造中でできていなかった可能性があり、現地の人のいい加減な伝聞に基づいて大唐西域記に書いたのではないかとのこと。

(289)7月25日 朝日新聞朝刊☆
 福田官房長官が「有事には思想・良心・信仰の自由に制約を受けることももあり得る」と発言したことが報じられています。憲法で保障されている権利を易々と制限することが語られると言うことは如何なものか。
「『作戦行動の中で、教会や神社、仏閣の撤収や除去は可能か』との前原氏の質問については、津野修内閣法制局長官が『根拠となる法律は必要だが、収用されることはありうる』と答えた。」とする記述あり。

(288)7月24日 朝日夕刊 「文化」面 「一語一絵」欄
 「よし、それならば、もう一度」と題する哲学者・渡辺二郎氏の寄稿の中に、仏教に関する言及ありました。関連部分のみ掲載します。
 「釈迦はこの世が生老病死の苦しみであることを説いた。そればかりではない。この世では、何を求めても願いは叶わず、愛する人とはやがて離別し、怨憎の尽きぬ敵と必ずや出会い、生存のすべての局面が苦悩の源泉であることを、釈迦は見抜いた。実際そのとおりであると思う。二千数百年も前から、人間は少しも変わらず、人生はいわゆる四苦八苦の連続である。そうはいっても、煩悩の火を吹き消して、解脱の境地に入ることは容易ではない。むしろ、煩悩に徹して、それを突き抜けてゆくことが大事であると思う。」

(287)7月23日 毎日新聞12・13面
 「阿弥陀が来た道」シルクロード・敦煌を語ると題する座談会が見開き2ページで掲載されています。以下冒頭の文掲載。

 浄土真宗本願寺派の第二十二代門主、大谷光瑞を隊長にした大谷探検隊が中央アジア探検に出発してから、今年は100年の節目にあたる。その足跡をたどる「阿弥陀が来た道」が毎日新聞の日曜版で連載中だ。東西交易に大きな役割を果たしたシルクロードは、仏教が東漸した「仏の来た道」とも重なる。連載の筆者である編集委員、佐藤健とともに今年4月にシルクロードの要衝・敦煌を訪問した龍谷大学長の上山大峻氏、早稲田大教授の石山修武氏、グラフィックデザイナーの杉浦康平氏に、世界的な文化遺産である敦煌の魅力や現代における意味などについて縦横に語ってもらった。(司会は佐藤健、写真は滝雄一)

(286)7月22日 朝日夕刊 こころ欄☆
 『自選仏教文学全集』を刊行中の水上勉さんへの取材記事が掲載されています。談話の一部を引用します。
 「アメリカのブッシュ大統領は善悪二元論を訴えるが、善を続けても世の中には悪になることもある。大乗の船に乗れば、悪も善も空になると、小さいころに教わった。歎異抄を何度も読んでいると、その理屈がひしひしとわかるようになり、親鸞の思想に寄り添うというか、仲間に入れてくださいという気がします」

(285)7月22日 朝日新聞夕刊☆
 連載「孤独のレッスン」に大分県日田市にある真宗大谷派系の昭和学園高校の工藤至心教諭(本願寺派僧侶)の取り組みが紹介されています。

(284)7月23日 朝日夕刊 「文化」欄☆
 連載・加藤周一「夕陽妄語」に「『日本仏教曼荼羅』読後」と題する寄稿がありました。
 ベルナール・フランク著・仏蘭久淳子訳『日本仏教曼荼羅』(藤原書店、2002)がおもしろかったという内容です。一部掲載。

 日本文化の精神的な面を理解しようとすれば、どうしても仏教を避けて通ることができない。しかるに「仏教」という言葉で何を意味するかは著者によって異なる。しかも仏教の文献は、周知のように厖大であり、多言語にわたる。素人がそれを読んで、整理し、「仏教」という語をみずから定義することは、ほとんど不可能に近い。われわれは注意を仏教のある局面に集中し、その背景としての仏教一般については専門家の概説書に頼るほかはない。〜(中略)〜 現代の概説書に至っては、仏教とは何かという問いに応えるどころか読めば読むほど答えを茫漠として捉え難いものにした。フランク教授の議論が常に明瞭でわかり易いということは数少ない例外に属するにちがいない。

(283)7月21日 朝日新聞 「折々の歌」☆
 先の大戦で、2重国籍故に翻弄された上村南水の歌。未完成の阿弥陀仏像と西方浄土の関係は、未完の弥陀と亡き戦友との関係か。

余暇みては
刻みいましし戦友の
弥陀未完のままに
西向きおわすや   上村南水

(282)7月19日 京都新聞☆
 浄土真宗本願寺派の大谷光照前門主の葬儀の記事がありました。一万三千人が参列したとのことです。

(281)7月19日 朝日新聞☆
 韓国で僧侶が猛暑の中、7時間に渡って国立公園にトンネルを通すことに対する抗議行動をしたことが報じられています。

(280)7月16日 京都新聞夕刊
 先月14日に亡くなった浄土真宗本願寺派の大谷光照前門主が収集した膨大な切手の目録作りが寄贈を受けた龍谷大学で大宮図書館で進んでいるとの記事あり。

(279)7月15日 朝日新聞夕刊☆
 第6回アジア宗教者会議の報告記事がありました。記事の中で、宣言文に「宗教者は、いかなるテロも容認しないことを再確認する。テロリストを自由の戦士と呼んで容認しない」に続き「テロに対する国家の報復活動もテロ行為にほかならず、正当化してはならない」と明記している。
 とあります。アメリカを意識し、また単なるアメリカ批判にならないように大きな課題を背負った会議だったようです。

(278)7月17日 朝日夕刊 「文化」面 「一語一会」
 「風は忘れず」と題する、作家・俳人の真鍋呉夫氏の寄稿。芭蕉などに触れた後、明恵上人への言及あり。関連部分のみ掲載します。

 つまり、異常に分節化し、教条化した「詩」や「宗教」のカテゴリーから超出して、わが国の仏教の中でも最も清醇な生き方を貫いたという栂尾の明恵上人の、「(前略)仏になりても何かせん。道を成じても何かせん。一切求め心を捨てはてて、徒者(いたずらもの)に成り還りて、ともかくも私にあてがふことなくして、飢え来れば食し、寒来れば被るばかりにて、一生はて給はば、大地を打ちはづすとも、道を打ちはずすことは有るまじき」というところまで行ってしまう。
 わが国の文人は、古来これを「再度の出家」と称して自分の魂に加える熾烈な鞭としてきたが、こういう究竟な身の処し方を実践した者は、わが国の生粋の詩人以外には他のどこにもいない。

(277)7月17日 日経夕刊 社会面
 「犯罪被害者の心 宗教家がケア」「宗派超え支援組織発足」などと題する記事ありました。
 犯罪被害者を精神面でケアしようと、愛知県の宗教家の教戒師らによる支援組織が発足した、との内容。支援組織の名称は「犯罪被害者の宗教者相談室」。
 代表は、大谷派「随順寺」住職・黒田龍雄さん(70)で、仏教各派の僧侶やキリスト教の聖職者など十数人の教戒師からなる。主に電話での相談が中心とのこと。

(276)7月15日 朝日夕刊 第2面☆
 アフガニスタンから「古代仏教都市が出土」との記事ありました。
 カブールの南約100キロのカルワルから、ストゥーパ5基を持つ古代仏教遺跡が見つかった、とのこと。5〜7世紀のものと推定。他に、長さ30mもある仏像の足なども見つかっている模様。ガンダーラの影響も見られるとか。
 山田明爾・龍大教授のコメントもありました。
 「ガズニの仏教遺跡は大ストゥーパが1基あるだけだが、今回発見されたという仏教都市のストゥーパ群との関連が裏付けられれば、アフガン南部への仏教の広がりがわかる。現地をぜひ見たいものだ」

(275)7月14日 日経朝刊 Sunday Nikkei欄
 「仏様は外国人顔」と題して、奈良・薬師寺に、来春完成予定の「釈迦十大弟子」像に関する記事ありました。
 彫刻家・中村晋也氏の作。「既存の仏像のイメージにとらわれないものにしたい」との思いから、インドやパキスタンでアーリア系のモデルを探し求め、アーリア系のリアルな風貌を心がけた。
 また、次のようにも。「西洋ではキリスト十二使徒が敬われ、その名を冠した大聖堂もある。仏教はどうか。釈迦の弟子たちは、経典の発展、教義の普及の功労者なのに、あまり顧みられない」

(274)7月13日 各紙
 「バーミヤン壁画残る 2〜3割戦乱越え 日本人仏教写真家撮影」と題する記事あり。
 旧タリバン政権により巨大大仏などが破壊されたアフガニスタンのバーミヤン石窟群の全容撮影に、仏教写真家の中淳志さん(43)=京都府笠置町=が成功した。現地報道などから壁画は全滅も危惧されていたが、全体の2、3割が残っていた。タリバン政権崩壊後、同石窟群の全容が明らかになったのは世界で初めてといい、専門家は一様に驚いている。

(273)7月8日 朝日夕刊 文化欄 「単眼複眼」☆
 「「宗教の復権」弱体化直視から」と題して、日本学術会議の宗教学研究連絡委員会が開いたシンポジウムの模様が報告されています。
 「いのちと宗教」と題するシンポジウムで、神道、仏教、キリスト教、道教からもコメンテーターが参加。(仏教からは藤井正雄・大正大学教授)。一部掲載します。

 印象的だったのは、宗教のありようが現代生活に適応しなくなった面があるという、〜考えに対し、藤井教授や〜が「宗教の弱体化の表れ」と率直に認めたことだ。「生命」により敏感であるはずの宗教者が、21世紀の先端科学がもたらすクローン技術などがはらむ難題から逃れずに向き合い、何らかの判断基準を示そうとする姿勢は、「宗教の復権」の今後を占う。

(272)7月8日 朝日夕刊 こころ欄 「自分と出会う」☆
 親鸞についての著作も多い菊村紀彦氏(日本仏教学院長)が登場しています。

(271)7月8日 朝日夕刊 こころ欄☆
 「学校での宗教教育は? 韓国の試み参考に議論」と題する菅原伸郎氏の寄稿ありました。冒頭のみ。

 宗教教育の日韓比較−公教育において宗教をどう扱うか」という宗教学者の討論が6月30日、兵庫県西宮市の関西学院大学であった。教育基本法の宗教教育条項について見直し論議が進んでいる時だけに、韓国側からの「まったく成功していない」という報告は注目された。

(270)7月8日 日経朝刊 文化欄 メイン
 関山和夫氏(仏教大学名誉教授)が、「落語の祖 説教がネタ元」と題して、落語の祖として知られる京都・誓願寺(浄土宗)の安楽庵策伝(1554〜)について寄稿されています。一部入力します。

 策伝の生涯を簡単に記すと、以下のようになる。1554年美濃で生まれ、青年時代に説教僧として活躍、誓願寺法主となり「醒睡笑」を著した。誓願寺塔頭の竹林院に隠居した後は茶室「安楽庵」を構え、数えで89歳で亡くなるまで風雅な生活を送った。
 私が策伝の名を知ったのは、小学校5年生のころだった。実家は愛知県江南市の浄土宗西山派の寺で、立ち寄った説教僧が「醒睡笑」を持ち歩いており、「策伝という面白い説教をした人の本」と教えられたのだ。

(269)7月2日 朝日新聞夕刊 こころ欄☆
  愛知県の真宗大谷派の僧侶たちが5月に中国東北部(旧満州)を訪れ、第2次大戦終了までに犯した日本仏教の過ちを調べた。 現場での法要にも参加した同派円光寺(尾西市)の住職・大東仁さん(37)の「懺悔の旅」を報告が掲載されています。

(268)7月1日 朝日新聞朝刊 青鉛筆欄☆
 長野県松本市神宮寺で、お葬式の見本市が行われたとのこと。

(267)7月1日 朝日新聞夕刊☆
 お釈迦さまがさとりをひらかれた地とされるインド・ブッダガヤにあるマハーボーディ寺院が、ユネスコの世界遺産に登録されたとの記事がありました。インドの仏跡参拝では必ずと言ってもよいほど訪れる地です。



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