POSTEIOS カンボジア紀行
| カンボジア紀行 〜 第4章 〜 スラムに生きるということ |
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1998年までの28年間内戦が続き、数百万人もの虐殺をも経験し、カンボジアの人々は疲弊しきっています。 更に経済のグローバル化の波はここも例外ではなく、経済発展の著しいタイとベトナムに挟まれている立地故に工場進出などの市場経済の荒波にのまれ、貧富の差が拡がりつつあります。 国全体に貧しく、公務員の月給は首都でも20ドル程です。都市と農村の経済格差も激しく、農村で食べていく事が出来なくなってしまった人々が、仕事を求めて都市へ流れ込み、スラムを形成しています。
首都プノンペンには約100万人が住みますが、その内の15%・15万人がスラムに住み、数は700を数えます。 スラムの生活環境は劣悪であり、教育も受けられないことから定職を持てず、 時々日雇いの仕事をする程度なので、経済的に苦しんでいます。 また、そんな親を見て育つ子ども達は、ゴミ拾いをしては僅かなお金に換金し、将来への夢も希望も持てずに、シンナーに依存してしまう子もいます。
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| 私が訪れた「バサックスラム」は、約5000人(2000年の調査時)の住民がいます。 古い数字しかないのは、住民票などもなく人数を把握する方法が無いので、かつての統計調査の数字を目安にするしかないそうなのです。 電気・ガス・水道等もちろん無く、ゴミが散乱し匂いも酷く、住居は一家が4畳程のバラックに住むという劣悪な生活環境なのですが、ここは自治会を結成している数少ないスラムでもあります。
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☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 自治会では、子ども達の未来のために、学校を自主運営しています。 2002年から始まったそれは、「幼児部」「小学校(1〜3年生のレベル)」の2クラスを持ち、2〜15歳までの生徒が通っています。但しスラムの子ども達の全員ではありません。 理由1.公立学校へ通っている子もいます。 公立学校は基本的に無料ですが、 教師が謝礼をせびるので、ある程度 お金がないと通えないそうです。 理由2.子どもに教育を与えることそのものに 賛同しない親がいます。 彼らは生きることそのものを諦めている ように見えます。 学校は先生を含めて、全てボランティアで運営されています。子ども達はとても活き活きと授業を受けていました。 また、学校には寺院も併設され、子ども達の宗教道徳教育の場となっています。 また、定期的に近隣寺院から僧侶が招かれ、住民のお年寄り方が集まり、心のよりどころとなっています。
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| 皆とても真剣で、どの踊りもすばらしいのですが、特にこの写真の子は、カンボジアのコンクールで優勝した程の腕前で、将来が楽しみです。
また、踊りを一緒に見た未だ幼い子ども達も大はしゃぎで楽しそうでした。ですが、この子ども達も、踊りが終わるとゴミ拾いの生活に戻ります。
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スラムの住民は土地を持っていません。現在住んでいる場所も、政府によって仮に与えられた場所であり、いつ移動命令が出るか分かりません。よって土地を耕したとしても、収穫までそこにいれる保証はないのです。 そこで自治会では、各自の出身地の親族を頼りに、田畑を借りるお願いをしています。そして5ヘクタールの土地を借り受けることが出来ました。これによって10トンの収穫が見込めるそうです。 その利益は上記自治会活動へ当て、経済基盤を整え、持続可能な自立を目ざしています。 ただし「収穫物を運搬するトラック」が無いため、業者を頼まねばならないのですが、運賃がとても高いため、現状では利益は余り期待できないそうです。 しかし、大人達の本気で生きる姿は、将来への夢も希望も失っているかに見える子ども達に、生きていく喜びと可能性を見出させることでしょう。 これ程の展望を住民自らが描き、自立に向けて歩んでいる姿は、我々を大いに感動させました。
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このバサックスラムの取り組みを少しでも後押ししたいと思い、「仏教徒スラムの子ども支援キャンペーン」http://www.ayus.org/ccbs/index.htmを立ち上げました。 支援方法についても、支援依存症にならないように熟慮したつもりです。趣旨にご賛同いただけます方は、ご協力の程どうぞ宜しくお願いします。 | |||||